初の赤石岳・荒川三山縦走、しかし後半は雨と風に(2015.7.21~23)

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天気予報を見て、出発を決意。しかし天気の下り坂は早めに訪れ、日程の後半は完全な雨。一日早く出かけていれば、とか、もう一日山中で天候回復を待っていれば、とか思ったりもしたが、山の天気は変わりやすいのが常。
もともと、当初の計画は鳥海山と月山に出かける予定だったのだが、現地の天気予報悪化のため中止とし、代わりに今回の南アルプス行きを決めたので、おてんとう様に文句をいうのはお門違いなのは百も承知しているのだが…

それと今回はハプニングに見舞われることも今までになく多かったのだ。
いつもよくやる、前夜発で現地駐車場での仮眠を目指したのだが、新東名高速の新静岡インターを降りてから現地までの県道に2つルートがあり、カーナビは少しでも距離の短いルートを指定してくるのだが、なんとその道の半ばで「道路工事のため夜間通行禁止」にぶつかってしまったのだ。6時まで待てば通行禁止は解けるが、その時刻から現地駐車場まで行っても朝一番のバスに間に合わないかも知れないし、その不安も抱えながら工事現場の手前で仮眠することも非現実的だ。
結局もう一つのルートとの分岐点まで戻り、そのルートで現地駐車場入りをした。およそ50分ほど時間をロスをするはめになったが、この一件で、少し催し始めていた睡気がすっかり吹っ飛んでしまったので、安全運転の意味でのメリットはあった(?)。

次は、初日の宿泊場所の赤石小屋までの急登の途中で発生。樹林帯で展望も効かないため、ただひたすら登るしかない単調な登りの最後に差し掛かった頃、ヘリコプターの爆音が響き、なかなか止まないので、さては遭難事故でも起きたのかなと思って小屋に着いたところ、同宿の18名のツアー客のうちの一人が登山道から40m滑落して、負傷したとの話を耳にした。夜を経ると低体温症など命に係る事態になるところだったのだが、幸いまだ明るいうちに救助されたとの情報が入り、ほっと安心したものの、最後に小屋に帰ってきたツアースタッフの疲労困憊した方たちの様子を見ていると、自分たちも気をつけなくては、と身が引き締まった。

二日目、幸い朝は快晴で、途中のお花畑も楽しみ、赤石岳の山頂(標高3120m)からは360度の展望が得られたものの、その後あっという間に雲が山頂を覆い始め、最も期待していた荒川前岳の南面のお花畑に差し掛かる頃には霧雨に降られてしまった。それでもアルプスで一番のお花畑をこの目にすることはでき、期待していた雰囲気での写真撮影には程遠い条件だったけれど、「この目で見た」という満足感は得られた。
また手前の赤石小屋の水場で合計3リットルの水(今夜の宿泊場所は自炊する必要があり、しかも小屋に水がないので翌日の行動中の飲料水も含め二人で3リットル必要と計算した)をポリ容器に納め、二人でなんとか中岳避難小屋まで担ぎあげ、早めの夕食を済ませることができ、これも一安心だった。
20人の定員のところ宿泊者は8人だったのと寝床である2階の天井が高いこともあり、ゆったりと寝ることができそうな感じて床についた。しかし夜中に目を覚ますと、かすかな望みをかけていた天候の回復とは真逆の、まるで台風のまっただ中に居るような強風と豪雨だ。幸い小屋の方は3000mの稜線(標高3083mの中岳の山頂直下にある)を配慮して建てたものだけに堅牢そのもので、風速50mは超えていると思われる強風にもびくともしない。ただ、もし明日もこのような状態だと、とても前に進めるのは無理だ。以前、急な台風到来に山小屋に三泊したことがあったが、その時のことが思い起こされ、連泊するとしても避難小屋では食料は(?)水は(?)などと、不安が増幅されてしまい、眠るどころの話ではなくなった。廻りの人たちはそんな僕とは大違いで大きないびきをかいて熟睡している。おまけに、軽い高山病の症状も出始め、薄い酸素への対処に深呼吸を繰り返さなければならなくなり、ますます眠ってなんかおれない状況に。

不安な一夜が明け、強風こそ収まったものの雨はまだ降り続いている。出発を遅らせ少し様子を見ることも考えたが、一向に改善の兆しもないのと、その日の宿は今回唯一事前予約済み(というか予約必須)の二軒小屋ロッジだ。強風さえなければ岩稜や痩せ尾根の通過もなんとかなるだろうと、話し好き、世話好きの管理人さんが小屋の外まで出て見送る中、予定通り出発。
途中荒川東岳(悪沢岳とも称し荒川三山中最高峰の標高3141m)の山頂の少し手前の吹きさらしの岩場で、立っていることのできないほどの強風に襲われ、とっさに後ろを振り返るとパートナーのほうはとっくに、風上に背中を向けて姿勢を低くしているではないか。無論すぐ真似をして(?)同じ姿勢を取ったが、そのまま歩こうとしてもとても前に進むことは叶わなかった。
その強風もいっときで収まり、次の3000m峰、名前の通りの丸山(標高3032m)を目指す。その山頂付近は何も遮るものがない分強風を受けやすく、ここも早々に通過するしかなかった。好天であればのんびり過ごせる場所なのだろうが。
そして本日第二の難所、千枚岳の痩せ尾根と垂直に近い岩登り。ただ、この頃には風も少し弱まったこともあり、あっけなく山頂に到着。

ここからはひたすら下山するのみだが、山頂から二軒小屋方面に降りる道が地図には在るのだが、標識もないためやむなく千枚小屋に向かうルートを辿る。このまま小屋まで行ってから登り返すのは嫌だな、と思いながら先に進むと、二軒小屋への分岐が現れた。後はここから4時間ほどの道のりだ。あいかわらず雨は降っているが樹林帯に入ると少なくとも風の心配はなくなる。
途中苔むした老木とその子孫である実生が織りなす雰囲気の良い樹林が続くが、雨に濡れたレンズで撮影は叶わなくなり、目に焼き付けることのみに。以前、雨合羽のポケットにカメラを入れていてずぶ濡れになり故障させてしまった苦い経験があるので、バックに仕舞いこんだのだ。

全身はもちろん登山靴の中もびしょ濡れの状態でようやく二軒小屋ロッジに到着。一日雨の中を歩いたけれど、今夜は風呂に入ってさっぱりして夕食のフランス料理をいただけると思うと、一日の疲れも吹っ飛んでしまう。檜の香りも楽しみながら普段よりゆっくりと湯に浸かって下山後の休息を堪能した。ゆっくり休んで、明日はロッジから車の置いてある駐車場までバスで送ってもらえるのだ。何かとハプニングの多かった今回の山行だったが、下山後にゆっくり休める今回の山行パターン、今後癖になりそうな予感がする。

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テガタチドリ

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グンナイフウロ

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北沢源頭付近のグンナイフウロ

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北沢源頭付近からの富士山

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赤石岳から望む荒川三山

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ヨツバシオガマ

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小赤石岳山頂(標高3081m)からの富士山

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荒川岳への登山ルート

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ミヤマダイコンソウ

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イワウメ

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赤石小屋の弁当「めはり寿司」。吉野地方の郷土料理、高菜の浅漬けの葉でくるんだ弁当用のおにぎり。スタッフの郷土料理とのことだが、美味しかった。岩稜帯の中で強風を避けてくれるくぼみを見つけたのでそこで昼食。周囲はお花畑だ。

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そのお花畑にて。メイゲツソウ(?)

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同じく、そのお花畑にて。ミネズオウ

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同じく、そのお花畑にて。ハクサンチドリ

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まるで盆栽のよう。タカネツメクサ

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ハクサンシャクナゲ

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少し早めに開花したマツムシソウ

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前岳南面のお花畑にて。ミヤマクロユリ

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前岳南面のお花畑

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前岳南面のお花畑。背後は赤石岳の中腹。

赤石岳の山頂からの眺望と荒川前岳盗難車面のお花畑の模様などはこちらで。



■データ
・コース概要

自家用車が入れるのは「畑薙第一ダム夏期臨時駐車場」までで、ここから登山スタート地点の椹島までは特殊東海フォレストの送迎マイクロバスを利用する。
ゴールの二軒小屋から駐車場まで戻る際も特殊東海フォレストの送迎マイクロバスを利用する。(ロッジの利用客のみ利用可)

1-コースタイム&登山計画付き登山地図 荒川三山・赤石岳 _01


・コースタイム
【1日目(7/21 火)】晴れ
 椹島(8:40)~カンバ段(10:20)~赤石小屋(13:40)
行動時間 5時間 5,400歩
【2日目(7/22 水)】朝のうち晴れ後曇り時々雨
 赤石小屋(4:25)~富士見平(5:05/5:40 朝食)~赤石小屋分岐(7:55)~赤石岳(8:20)~赤石小屋分岐(8:45)~小赤石岳(8:55)~小赤石岳肩付近(9:35/9:55昼食)~大聖寺平(10:50)~荒川小屋(11:35/12:10 水汲み・軽食)~前岳山頂分岐(14:05)~中岳(14:12)~避難小屋(14:15)
行動時間 9時間50分 11,800歩
【3日目(7/23 木)】雨
 中岳避難小屋(6:15)~悪沢岳(7:15)~丸山(7:45)~千枚岳(8:30)~二軒小屋ロッジ(13:10)
行動時間 7時間  21,300歩
 翌日7:30発のバスで駐車場へ戻る

・山小屋
一日目は赤石小屋
 基本的に蚕棚方式だが、この日は定員3人の区画に二人で寝ることができた。トイレは外で20mほど歩かなければならない。
二日目は中岳避難小屋
 水場が近くにないので、ペットボトル入りの飲料(500ml 4百円)購入か雨水利用(無料)となる。僕たちは手前の荒川小屋近くの水場で汲んで持ち上げた。簡単なレトルト食品も売っているが、これも持参した。
 一階は自炊場所で二階が寝床。高い三角屋根の構造のため天井が高く広く感じる。この日は寝袋3枚と毛布3枚で温かく過ごせた。一階は朝晩石油ストーブが焚かれる。トイレは勿論外だが、小屋から10mくらいだ。
下山後三日目は二軒小屋ロッジ
 一度は泊まってみたいと思っていた。食事も美味しく、入浴可能(温泉ではないが檜の香る湯船でゆっくりできる)、トイレ(温水シャワー式)や洗面所もきれいで快適。登山前にここに泊まると登りたくなくなるかも(笑)下山後にゆっくりするのに最適。

■参考

・千枚岳以降のルートは違いますし時期も後になりますが、天候に恵まれ、またルート情報、小屋情報も詳しいので
リンクを貼らせてもらいました。
「紅葉が彩る【赤石岳・悪沢岳】南アルプス3000m峰に挑戦!(2015年09月11日(金)~ 2015年09月13日(日))
・山頂からの写真も。
赤石岳山頂からのパノラマ写真(VR版です)
同じく前岳
同じく中岳
そして悪沢岳



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